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自由帳

軍事系の話題について書いていきます。

イージス兄弟 迫真の防衛

今回は「弾道ミサイル防衛」とその一環で導入を期待されている陸のイージス艦「イージス・アショア」について解説します。

 

イージスシステムって何

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画像は海上自衛隊:ギャラリー:護衛艦(艦艇):こんごう型 (DDG"KONGOU"Class)より

ニュースなどで「イージス艦」と聞いたことがありますか?

このイージスとはイージス武器システム(Aegis Wepon System)のことで、米海軍が「ミサイルが大量に飛んできたらどう艦隊守るんだよ」というコンセプトで開発しました。

元はギリシャ神話の最高神ゼウスが娘アテナに与えた盾「イージス」が由来です。

このイージスシステムを搭載している艦艇のことをイージス艦といい、日本は6隻保有しています。ちなみに米海軍は85隻…やっぱすげぇよ…

イージス艦は頭と目がとても良く、特徴的な八角形のSPY-1レーダーは4方に取り付けられているので全方向監視可能最大探知距離は約450km以上200個以上の目標を追尾、そして優れた情報処理能力のおかげで同時に10以上の目標に対処可能です。

そして日本のイージス艦6隻のうち4隻が保有しているのがBMD能力(Ballistic Missile Defense)といい、弾道ミサイルを迎撃可能な能力です。

残りの2隻も追尾、捕捉は可能です。

 

弾道ミサイル防衛ってどうなの

現在、日本の弾道ミサイル防衛

  1. 目標が宇宙空間を慣性飛行(ボールを思いっきり真上に投げて最頂点付近でゆっくり飛んでいる)しているときに海上自衛隊イージス艦がSM-3ミサイルを発射し迎撃
  2. SM-3が撃ち漏らした場合、再突入してきた目標に対し航空自衛隊PAC-3 ペトリオットシステムが迎撃 射程約20kmと少し心もとない…

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画像は主要装備 ペトリオット|防衛省 [JASDF] 航空自衛隊より

という2段構えになっています。

特に再突入し落下してくる弾道ミサイルの速さはおよそ約マッハ20(約7km/s)、この速度で落下してくる目標を迎撃するのはとても困難となります。

そこで「もっと弾道ミサイル防衛を安定させようぜ」と政府も検討し始めたのが陸のイージス艦「イージス・アショア」です。

 

期待のイージス・アショアくん

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イージスシステムは何度も改良されてきたシステムで信頼性がとても高く、画像の通り米海軍のイージス艦「アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦」のSPY-1レーダーやミサイル垂直発射装置などを使用しているので外見も艦橋そっくりです。

価格は約8億ドル以上(約900億円以上)かかりますが、弾道ミサイル防衛と限定した観点だとイージス艦の約1,200億円より安価で人手も少なく済みます。高いんですけどね…

隠れた特徴がおよそ120日あれば移設可能という点で、米軍は本土のニュージャージー州での試験後に分解し、現在は移設したハワイのカウアイ島で試験が行われています。

 

迎撃範囲は日米共同開発のSM-3 ブロック2Aの場合で射高約1,000km、射程約2,000kmなので東京に配備すると十分に日本をカバーすることができます。

現在はルーマニアで運用が開始、ポーランドに建設予定なのでヨーロッパでは2基の運用となっています。

 

イージス・アショアは価格や能力などまだ問題がありますが、弾道ミサイル防衛の一環として優秀だと感じました。

コスト面を無視すればイージス・アショアの他にTHAADミサイル(終末高高度防衛ミサイル)の導入も良いのかと。

まぁ何にしろ最大の敵は予算ですね。

ISIL施設を吹き飛ばした爆弾「MOAB」とは

昨日の4月14日に米軍はアフガニスタンの山岳地帯にあるISILの地下施設を爆撃しました。

その際に使われた爆弾GBU-43 通称MOABについて解説していきます。

 

MOABとは英語表記で「Massive Ordnance Air Blast (大規模爆風爆弾兵器)」の頭文字をとってそう呼ばれていて、他にも「Mother OAll Bomb (全ての爆弾の母)」と呼ばれています。

 

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画像 https://ja.wikipedia.org/

全長 約9m

直径 約1m

総重量 約9800kg

炸薬量 約8500kg

 

非常に大きな爆弾で、核兵器を除いた現在ある爆弾の中で最大のものです。

あまりに大きすぎて通常の爆撃機攻撃機などから投下できないので、C-130、C-17などの大型輸送機の機体後部の貨物スペースから台車ごとパラシュートで引きずり落とす変わった方法で投下され、後は台車と分離しGPSで誘導されつつフィンと呼ばれる小型の翼でコントロールされながら目標まで降下していきます。

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その威力は絶大で、威力範囲は半径500~600mとされ、爆発と共に起こる爆風で敵の人員や施設を吹き飛ばすことを目的としています。

 

2003年のイラク戦争の際にイラク軍との戦いを早期に終わらせるための「衝撃と畏怖」戦略、簡単に言えばビビらせる目的で実戦配備されましたが使用されませんでした。

実戦で使用されたのは今回のISILの地下施設爆撃で初めてとなります、爆撃は成功し地下施設内部にあった爆弾等が誘爆し施設ごと吹き飛んだそうです。やったぜ。

 

ちなみにCall of Duty:Modern Warfare 3では25キルの隠しキルストリークでこいつを投下することができ、マップ全体の敵が吹き飛びステージが砂嵐のようになり敵は画面表示が消えます。壊るる^〜

 

この爆弾が使用されたとニュースで聞いたときはかなり衝撃を受けました、今まで使用されてこなかった超大型爆弾「MOAB」の威力を示したことで北朝鮮も相当ビビったんじゃないですかね(適当)

核、生物、化学テロに備えて「NBC偵察車」

今回はシン・ゴジラにも出ていた、陸上自衛隊NBC偵察車を解説していきたいと思います。

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全長 8.00m

全幅 2.50m

高さ 3.20m

重量 約20t

最高速度 95km/h

乗員 4名

価格 約7億円

製造 小松製作所

意外にも製造は重機などで有名なKOMATSUこと小松製作所です。

 

この2つの車両をご覧ください。

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(化学防護車)

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(生物偵察車)

化学防護車NBC偵察車に似ているのが分かりますか?

そうです、同じ小松製作所です…

化学防護車は装甲化、気密化されていたのに対して、生物偵察車は3トン半トラックの荷台に検知、分析機材を搭載しただけで防護性、気密性は良いものではありませんでした。

役割が分かれていた2両を合体させて高性能化したものがNBC偵察車となっています。

 

NBCとは

Nuclear(核兵器)

Biological(生物兵器)

Chemical(化学兵器)の頭文字をとってこう呼ばれています。

最近では、2つ項目が増えたCBRNE

Chemical

Biological

Radiological(放射性物質)

Nuclear

Explosive(爆発物)の方が使われています。

 

 車両性能

 車両制限令

一般制限値

総重量 20.0t

幅 2.5m

長さ 12.0m

高さ 3.8m

最初に書いた諸元を見てほしいのですが、公道での車両運用のきまりを定めた「車両制限令」に収まるようになっています。

自衛隊車両は適用外ですが、事前通知や手続きをしなくても災害派遣などで即座に出動できるように枠内に収まっています。

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緊急車両の指定を受けているので上部に赤色灯とサイレン用スピーカーが付いています。

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また、放射線などから防護するためにフロントガラスや横の窓に装甲板が被さる設計になっています。

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化学防護車では検体の採取などのために大型のマニュピレーターが装備されていたのですが、細かい作業に向いていないことや故障が多いこともあり…

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代わりに実験室のグローブボックスのようなものが装備され、隊員がマジックハンドで検体を採取し回収するという方法になりました。

やっぱり人の手の信頼性が1番…

 

 各種装置

全長 8.00mの大型の車体がもつ余裕を持ったスペースで装置を操作、そして装置は実験室に匹敵するという話もあります…

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化学兵器検知化学兵器の汚染を検出し警告を出したりするために使用されます。

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生物兵器検知、左側の筒で生物兵器に使用されている微粒子のサイズを特定、右側の筒で分析のための大気を収集、車内で詳細な分析を行います。
その他にも赤外線センサーで物質ごとの赤外線への反応で種類を特定、それを元に物質の動き、拡散を検知なども可能です。
放射線ガンマ線中性子線を検知できるそうです。

気象観測装置温度計GPS測位装置も搭載しているので、「どこの区域がどのくらいどのような状況で汚染されているか」がわかります。

汚染レベルが分かれば回避や対処がしやすいですよね。

 

この車両は各種テロ、原発事故、化学事故などの非常事態で活躍する装備です、出動する事態は起こらないで欲しいですね… 

「いずも型護衛艦」はどんな艦艇か

今回は海上自衛隊が誇る艦艇、いずも型護衛艦を解説したいと思います。

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基準排水量 19,500t

全長 248.0m

全幅 38.0m

高さ 49.0m

馬力 112,000PS

最大速力 30ノット(約55km/h)

乗員 約470名

建造費 約1200億円

 

現在、海上自衛隊保有している艦艇の中で最大で、数字を見て分かるとおりとても大きな艦艇です。

ここで1つ別の艦艇を見ていただきます。

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(たかなみ型護衛艦)

比べてみると、いずも型には大砲のようなものが無く甲板が広くてスッキリしている。

というのがお分かりいただけましたか?

広い甲板をヘリコプター運用に特化させるためにいずも型には自分を守るための最小限の武器しか積まれていません。

「その大きな艦艇を持ってどうするの?」と思いますよね?

ではその性能を解説していきます。

 

輸送、医療

ヘリコプター最大14機乗組員以外の人員500名3トン半トラック50台の輸送が可能で、その他にも航空自衛隊PAC-3システム(北朝鮮のミサイルに備えて離島などに配備される)の収容も可能です。

また、右舷中部に幅4m耐荷重30トン以上の大型の歩板(橋のようなもの)を展開可能で艦内への詰み込みが容易になっています。

平成28年4月に発生した熊本地震の支援のため、北海道小樽港に入港し陸上自衛隊員約160名、車両40台を詰め込み、熊本まで輸送しました。

 

汎用護衛艦(最初に貼った、たかなみ型護衛艦など)3隻分の洋上での給油機能も有しています。

 

医療能力も非常に優れていて、艦内に

・診察室

・手術室

・歯科治療室

・集中治療室

・病床35床を有しています。

ちなみに米海軍のマーシー級病院船は他に

・薬剤室

放射線治療

・眼科治療室

・病床1000床も有しています。

災害国家の日本も病院船を保有したほうが良いと…

 

食堂は艦内に3つもあるそうです。

 

航空運用、対潜哨戒

この艦はヘリコプターを最大14機搭載可能で5機が同時離発着可能です。

これらの航空機をコントロールするために艦には、空港の管制塔とほぼ同じ設備があり空港と同じレベルで空域の管制をできるそうです。

甲板には大きなエレベーターが2つあり、プロペラを折りたたんだヘリコプターやV-22 オスプレイも搭載可能です。

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(写真は護衛艦「いせ」)

そして艦の主要任務はそのヘリコプターで敵の潜水艦を警戒(対潜哨戒)になります。

対潜哨戒ヘリがどのように潜水艦に対処するか解説していきます。

 

対潜哨戒

現代において潜水艦はほぼ最強と言っていい存在です。

潜られたら当然目視で発見できませんし、原子力潜水艦は食料が尽きるまで潜ることが可能です。任務では数ヶ月とか普通らしい…

音もなく忍び寄り攻撃を仕掛けて逃げる。海の忍者とも呼ばれている潜水艦ですが、航空機が天敵なんです。

それが対潜哨戒ヘリコプターです。

対潜ヘリは潜水艦が潜んでいそうな海上でホバリング(停止)をし、海中にソノブイと呼ばれる高性能マイクを投下して音を聴くわざと音を出して反響で捜索磁気の乱れを探知する装置赤外線探知機などを駆使し潜水艦を追いつめていきます。

そしてヘリコプターなので移動も素早いです。

この対潜哨戒ヘリコプターを多数搭載していることで艦隊に敵の潜水艦を寄せ付けず、非常に強力な対潜哨戒網を形成できます。

他の艦艇にとって1番の脅威である海中を有利に取ることで戦闘に専念することができます。

 

空母とは違うの?

この写真をご覧ください。

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(米海軍 ニミッツ級航空母艦)

「いずも型と何が違うんだ?」と思うかも知れませんが、全く別の艦艇です。

写真の艦艇は航空母艦(空母)といって艦載しているジェット機なども飛ばす洋上の飛行場として運用されています。

カタパルトといって、簡単に言うと「飛行機を投げ飛ばす」装置を有しています。

これによって艦載機を約300mという短距離で離陸させ、着艦は太いワイヤーに機体のフックをかけて止まります。

ニミッツ級は艦載のジェット機などの飛行機を運用するという前提なので攻撃力は極めて高く、言ってしまえば他国を攻撃できる能力がある艦艇、ここが大きな違いです。

 F-35Bという戦闘機は垂直に離着陸が可能なのでいずも型でも運用が可能ですが、そもそも艦艇の目的に合わないので実現はされないと思います。

運用される航空機に限定してニミッツ級といずも型を比較しましたが、まだまだそっくりな艦艇はたくさん存在します…

他国の見解や文書によってはいずも型を「ヘリコプター空母」や「空母」とみなしているものもあります。我が国では護衛艦となっています…

 

いずも型はこれからも自衛艦隊の旗艦として運用されていくでしょう。

非常に優れた航空運用、指揮能力、多用途性をフル活用することで他艦艇の支援に特化したよくできた護衛艦だと思います。

このブログについて

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