自由帳

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「いずも型護衛艦」はどんな艦艇か

今回は海上自衛隊が誇る艦艇、いずも型護衛艦を解説したいと思います。

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基準排水量 19,500t

全長 248.0m

全幅 38.0m

高さ 49.0m

馬力 112,000PS

最大速力 30ノット(約55km/h)

乗員 約470名

建造費 約1200億円

 

現在、海上自衛隊保有している艦艇の中で最大で、数字を見て分かるとおりとても大きな艦艇です。

ここで1つ別の艦艇を見ていただきます。

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(たかなみ型護衛艦)

比べてみると、いずも型には大砲のようなものが無く甲板が広くてスッキリしている。

というのがお分かりいただけましたか?

広い甲板をヘリコプター運用に特化させるためにいずも型には自分を守るための最小限の武器しか積まれていません。

「その大きな艦艇を持ってどうするの?」と思いますよね?

ではその性能を解説していきます。

 

輸送、医療

ヘリコプター最大14機乗組員以外の人員500名3トン半トラック50台の輸送が可能で、その他にも航空自衛隊PAC-3システム(北朝鮮のミサイルに備えて離島などに配備される)の収容も可能です。

また、右舷中部に幅4m耐荷重30トン以上の大型の歩板(橋のようなもの)を展開可能で艦内への詰み込みが容易になっています。

平成28年4月に発生した熊本地震の支援のため、北海道小樽港に入港し陸上自衛隊員約160名、車両40台を詰め込み、熊本まで輸送しました。

 

汎用護衛艦(最初に貼った、たかなみ型護衛艦など)3隻分の洋上での給油機能も有しています。

 

医療能力も非常に優れていて、艦内に

・診察室

・手術室

・歯科治療室

・集中治療室

・病床35床を有しています。

ちなみに米海軍のマーシー級病院船は他に

・薬剤室

放射線治療

・眼科治療室

・病床1000床も有しています。

災害国家の日本も病院船を保有したほうが良いと…

 

食堂は艦内に3つもあるそうです。

 

航空運用、対潜哨戒

この艦はヘリコプターを最大14機搭載可能で5機が同時離発着可能です。

これらの航空機をコントロールするために艦には、空港の管制塔とほぼ同じ設備があり空港と同じレベルで空域の管制をできるそうです。

甲板には大きなエレベーターが2つあり、プロペラを折りたたんだヘリコプターやV-22 オスプレイも搭載可能です。

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(写真は護衛艦「いせ」)

そして艦の主要任務はそのヘリコプターで敵の潜水艦を警戒(対潜哨戒)になります。

対潜哨戒ヘリがどのように潜水艦に対処するか解説していきます。

 

対潜哨戒

現代において潜水艦はほぼ最強と言っていい存在です。

潜られたら当然目視で発見できませんし、原子力潜水艦は食料が尽きるまで潜ることが可能です。任務では数ヶ月とか普通らしい…

音もなく忍び寄り攻撃を仕掛けて逃げる。海の忍者とも呼ばれている潜水艦ですが、航空機が天敵なんです。

それが対潜哨戒ヘリコプターです。

対潜ヘリは潜水艦が潜んでいそうな海上でホバリング(停止)をし、海中にソノブイと呼ばれる高性能マイクを投下して音を聴くわざと音を出して反響で捜索磁気の乱れを探知する装置赤外線探知機などを駆使し潜水艦を追いつめていきます。

そしてヘリコプターなので移動も素早いです。

この対潜哨戒ヘリコプターを多数搭載していることで艦隊に敵の潜水艦を寄せ付けず、非常に強力な対潜哨戒網を形成できます。

他の艦艇にとって1番の脅威である海中を有利に取ることで戦闘に専念することができます。

 

空母とは違うの?

この写真をご覧ください。

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(米海軍 ニミッツ級航空母艦)

「いずも型と何が違うんだ?」と思うかも知れませんが、全く別の艦艇です。

写真の艦艇は航空母艦(空母)といって艦載しているジェット機なども飛ばす洋上の飛行場として運用されています。

カタパルトといって、簡単に言うと「飛行機を投げ飛ばす」装置を有しています。

これによって艦載機を約300mという短距離で離陸させ、着艦は太いワイヤーに機体のフックをかけて止まります。

ニミッツ級は艦載のジェット機などの飛行機を運用するという前提なので攻撃力は極めて高く、言ってしまえば他国を攻撃できる能力がある艦艇、ここが大きな違いです。

 F-35Bという戦闘機は垂直に離着陸が可能なのでいずも型でも運用が可能ですが、そもそも艦艇の目的に合わないので実現はされないと思います。

運用される航空機に限定してニミッツ級といずも型を比較しましたが、まだまだそっくりな艦艇はたくさん存在します…

他国の見解や文書によってはいずも型を「ヘリコプター空母」や「空母」とみなしているものもあります。我が国では護衛艦となっています…

 

いずも型はこれからも自衛艦隊の旗艦として運用されていくでしょう。

非常に優れた航空運用、指揮能力、多用途性をフル活用することで他艦艇の支援に特化したよくできた護衛艦だと思います。